最新のお知らせ
●2025/5/10 ホームページオープンしました
網膜芽細胞腫の情報提供のため、当ホームページを開設いたしました。
ホームページ開設の経緯
網膜芽細胞腫は、小児の眼球内に生じる悪性腫瘍です。正しく診断し、治療を行うことにより、多くの場合は生命の危険を回避できます。ただ、治療は長期にわたる場合も多く、本人だけではなく家族の負担も少なくありません。
病気を克服しても、長い人生の各段階で課題が生じてきます。眼球を摘出した場合には義眼を装用しますが、整容的な問題を生じることがあります。化学療法を行った場合には、ホルモンの異常や内臓の障害を生じることがあります。眼球が温存できても視機能の障害を残すことが多く、両眼に病気があると学習や就職にも影響します。網膜芽細胞腫がなおっても、二次がんと呼ばれる別の腫瘍を生じることがあります。子へ遺伝することもあります。課題は個人ごとに異なりますが、人生のライフイベントに応じた課題を、ひとつづつ解決していく必要があります。
現在、インターネットの普及でいろいろな情報を入手できるようになっています。ただ、情報の正確性や、自分に適した情報を得ることは必ずしも容易ではありません。個別の内容は主治医など医療者にご確認いただくべきですが、細かい点を質問することはためらわれることも多いと思いますし、医療者も対応に限界があります。更には、経験者にしか分からない内容もあり、ピアサポートも重要と考えます。
今回、網膜芽細胞腫の診療・研究を行っている有志で、網膜芽細胞腫の情報提供の場としてホームページを立ち上げることにいたしました。まずは情報提供から始め、徐々に情報交換の場も設けていきたいと考えています。提供する情報は、診療を行っている医師が確認していますが、ご意見などありましたら事務局までご連絡お願いいたします。医療者、患者(家族)、関係職種で、有意義な情報提供の場ができることを期待しています。
国立がん研究センター中央病院
眼腫瘍科 鈴木茂伸